脂質測定方法
专利摘要:
脂質測定方法。本発明は、血液試料中の特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の少なくとも1種の血漿濃度を測定するための酵素的方法を提供する。本発明はまた、当該方法で使用するキットを提供する。なし 公开号:JP2011505866A 申请号:JP2010538904 申请日:2008-12-19 公开日:2011-03-03 发明作者:オーニング、ラース;サンドレハーゲン、アーリング;ノードヘイ、アーン、クリスティアン;ファーレン、アーン、ルードヴィッグ;フランツェン、フランク 申请人:アクシス シールド エイエスエイ; IPC主号:C12Q1-26
专利说明:
[0001] 本発明は、血液試料中の特定のクラスの脂質およびリポタンパク質の測定に関する。具体的には、本発明は、特定のクラスのリポタンパク質に関連する血漿コレステロールおよびトリグリセリドの、特に酵素アッセイによる測定に関する。とりわけ、本発明は、実験室装置や「ポイント・オブ・ケア(患者の身近な場所で用いられる)」装置上で行われるものを含む自動化された方法で使用される診断および予後アッセイに関する。] 背景技術 [0002] 生体試料中の成分を測定することは臨床評価に共通する特徴である。生体試料中の特定の分析物の濃度から、またはいくつかの成分の濃度プロファイルから、多くの診断を行うことまたは裏付けることができ、また多くの症状の危険性を評価することができる。病態と1種またはそれ以上の分析物の濃度との関連性がいろいろと分かってくると試料分析がますます有益なツールとなり、また急速に増える大量の試料を分析するよう臨床検査施設に対するプレッシャーも増加している。これを満足させるためには、より迅速で、より高処理量で、より簡便で、より全面的に自動化されたアッセイが必要である。] [0003] またアッセイが「ポイント・オブ・ケア」で行われることもさらに望まれている。これは、患者が即座にアドバイスを受けられて不安になることがより少ないので患者にとって有益である。これはまた医師にとっても、何度も予約をする必要が避けられる可能性があり、かつ自身の診断に対してより確信を持つことができるので有益である。] [0004] ポイント・オブ・ケアアッセイは、簡単に操作ができ迅速に結果を出す必要がある点で、非常に要求が厳しい。アッセイが数分以上かかる場合、ポイント・オブ・ケアにてアッセイを行う利点がほぼ失われてしまう。さらに、このようなアッセイを行う人は医療従事者である可能性が高いが、分析の専門家ではなく多数の機器を使用することはできない。したがって、このようなアッセイは最低限の試料処理に基づくように設計される必要がある。] [0005] 採取および操作が比較的容易なので、アッセイのために採取される最も一般的な臨床試料は液体(特に血液および尿)である。血液では、分析されるのは典型的には液状の血漿の内容物(含有量)である。血液由来試料に対する最も一般的かつ臨床的に重要な測定のうちのいくつかは血漿脂質含有量に関する。血漿中に存在する主な脂質は、リン脂質、トリグリセリド(TG)、およびコレステロール(CH)である。これらのうち、TGおよびCHが特に診断上の関心が高く、これはTGおよびCHが心疾患と関連するためであり、心疾患は先進国世界では最も一般的に見られる疾患の1つである。] [0006] 脂質は、それ自体の性質から非水溶性であり、血液中では脂質を可溶性にするアポリポタンパク質と複合体化されて運搬される。当該複合体、すなわちリポタンパク質は、大きさおよび脂質対タンパク質の比に基づいて、5つのグループに分類される。すなわち、キロミクロン、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)である。キロミクロンは、基本的に脂肪の小滴であり、約90%までがTGからなる。キロミクロンは、回腸から脂肪組織および肝臓まで食物脂質を運搬する媒体として機能し、食後の短時間のみ体循環中に存在する。] [0007] 残りの4つのクラスのリポタンパク質は肝臓で製造される。VLDL、IDL、およびLDLは肝臓から組織まで脂質を運搬する役割がある一方、5つ目のクラスであるHDLは、さらなる肝胆汁分泌のための、末梢組織から肝臓までの余分な脂質の逆運搬に関与している。VLDLおよびIDLは半減期が短く、主にTGを組織に供給する。LDLおよびHDLは半減期がより長く、血中コレステロールホメオスタシスへ主に関与する。平均すると、LDLおよびHDLを合わせると血中に存在するコレステロールの約95%を輸送し、LDLが約70%を輸送し、HDLが約25%を輸送する。] [0008] リポタンパク質中に存在する異なる5種類のタンパク質がある。すなわち、アポリポタンパク質(Apo)A、B、C、D、およびEであり、それぞれの種類はさらに細分されることがある。アポリポタンパク質は、リポタンパク質の形成、分泌、および運搬にとって重要であり、また末梢組織中のリポタンパク質に作用する酵素活性にとっても重要である。アポリポタンパク質B(ApoB)は、VLDL、IDL、およびLDLにおける主なタンパク質であり、LDLにおいてはこれが唯一のタンパク質である。HDLにはapoBがなく、その主なタンパク質はApo−A1である。] [0009] 高濃度のTGが、糖尿病、心疾患、高脂血症、I型およびIV型高グリセリド血症、ならびに腎炎症候群などの様々な病態生理学的異常と関連している。肝感染および栄養失調になると低濃度になることが分かっている。] [0010] 多くの疫学研究から、キロミクロン、VLDL、IDL、およびLDLに関連するCHが心疾患(CVD)の主要な危険因子であること(濃度の増加はCVDの危険性の増加と相関する)は十分に確立された事実である。LDL粒子と関連するCHが主な危険因子と考えられている。その一方で、HDLに関連するCHは心疾患の危険性と逆相関する。HDLの濃度が低いほど、心疾患の危険性が高い。したがって、心疾患を診断および予測するためや、CVDの危険性を策定する場合に、潜在的には他の因子と組み合わせて、LDLおよびHDLに関連するCHを測定することがよく行われている。] [0011] 2つの方法が、CHの定量化に現在慣例的に使用されている。いずれの方法も酵素的である。一つ目の方法では、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシダーゼで始まる酵素鎖を利用して、過酸化水素の生成による発色または蛍光シグナルを発生させる。もう一つの方法は、コレステロールオキシダーゼの代わりのコレステロールデヒドロゲナーゼを用い、生成したNADHまたはNADPHの量に基づいて試料中のCHの量を決定する。] [0012] HDLに関連するCHは、非HDLリポタンパク質からこのクラスのリポタンパク質を分離することにより決定され得る。非HDLを利用不可能にした後、HDLに関連するCHは、総CHについての酵素的方法を用いて測定される。] [0013] 以下の方法の1つを用いることによる非HDLの析出が、当初は(現在もであるが)よく使用された。 (i)ヘパリン/Mg2+(ハインライン(Hainline)Aら、1982年、Manual of laboratory operations,lipid and lipoprotein analysis、第2版、ベテスダ、メリーランド州:米国保健社会福祉省、1982年、151ページ(非特許文献1)) (ii)リンタングステン酸塩−Mg2+(ロペス−ヴィレラ(Lopes-Virella)MFら、1977年、クリニカルケミストリー(Clin Chem)23:882〜4(非特許文献2))、 (iii)ポリエチレングリコール(PEG)(ヴィーカリ(Viikari)J、1976年、スカンジナビアンジャーナル・オブ・クリニカル・アンド・ラボラトリーインベスティゲーション(Scan J Clin Lab Invest)35:265〜8(非特許文献3))、および (iv)硫酸デキストラン−Mg2+(フィンリー(Finley)ら、1978年、クリニカルケミストリー24:931〜3(非特許文献4))。] [0014] 析出した非HDLは次いで遠心分離により除去される。後者の方法は、HDLに関連するCHの測定の標準的な方法としてコレステロール基準法臨床検査室ネットワーク(Cholesterol Reference Method Laboratory Network)により現在も推奨されている)(キンバリー(Kimberly)ら、1999年、クリニカルケミストリー45:1803〜12(非特許文献5))。] [0015] 他の方法では、電気泳動(コンラン(Conlin)Dら、1979年、25:1965−9)(非特許文献6)またはクロマトグラフィー(ウスイ(Usui)ら、2000年、クリニカルケミストリー46:63〜72(非特許文献7))による分離が用いられた。] [0016] 上記の方法は効果的であるが、長時間の分離工程および多くの実験機器を必要とする。面倒な試料の前処理を省くため、2つの異なる経路が採用されている。試験装置(カセットまたは試薬を含浸させたストリップであってもよい)中でHDLの分離および定量化をするように一体化させたポイント・オブ・ケア器具が開発されている、例えば、コレステック(Cholestech)HDLアッセイ装置および方法(米国特許第5213965号(特許文献1))。] [0017] 自動操作する医療機器に関しては、HDLに関連するCHフラクションを測定するために非HDLリポタンパク質を物理的に分離する必要のない非分離法が開発された。非HDL粒子は様々な方法によりブロックされ、CH代謝酵素に到達できないようにされる。最新の開発としては、HDLを選択的に溶解する高特異性界面活性剤である。] [0018] LDLに関連するコレステロールは、一般に、フリードワルド(Friedewald)の式を用いて計算的に測定される(フリードワルド(Friedewald)WTら、1972年、クリニカルケミストリー18:499〜501(非特許文献8))。] [0019] LDL=総CH−(HDL+TG/2) 簡便でありほとんどの場合十分に正確であるが、特に、採血する前には患者は絶食する必要があり(絶食すると血液からキロミクロンが枯渇する)、またTG濃度が4g/l未満である必要があるという周知の制限がある。したがって、NIH後援の全米コレステロール教育プログラム(NCEP)成人治療委員会III(ATPIII)のガイドラインは、総CHと、HDLに関連するCHと、TGとからLDLに関連するCHを計算するのではなく、LDLに関連するCHの直接測定を用いることを推奨している。] [0020] 当初は、LDLに関連するCHは超遠心分離を用いて測定された(ハベル(Havel)RJら、ジャーナル・オブ・クリニカルインベスティゲーション(J Clin Invest)1955年、34:1345〜53(非特許文献9))。これは、現在も最もよく使われる基準法であるが、明らかに試料の前処理を必要とする。LDL CHフラクションを測定するために非LDLリポタンパク質の物理的な分離を必要としない非分離法がのちに開発された。] [0021] VLDLに関連するCHは、当初は超遠心分離を使用して測定された。これは現在でも好ましい基準法であるが、近年VLDLに関連するCHを測定する非分離法が開発されている。当該方法は、米国特許第6986998号(特許文献2)および米国特許第7208287号(特許文献3)からの方法を包含する。] [0022] IDLに関連するCH(「VLDLレムナント」または「レムナント様粒子」とも呼ばれる)は、一般に、超遠心分離、高速液体クロマトグラフィー、または電気泳動を用いて測定される。IDLに関連するコレステロールの選択的な酵素分解を促進するための特定の界面活性剤を使用する非分離法が最近2つ開発された(米国特許第7272047号(特許文献4)および米国特許出願公開第2007/0161068号(特許文献5))。] [0023] TGは、通常は、リポタンパク質リパーゼがTGを非エステル化グリセロールと遊離脂肪酸とに加水分解する、4つの工程からなる酵素反応において測定される。グリセロールは次いで、リン酸化(グリセロキナーゼ)され、酸化(グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ)されて、ジ−ヒドロキシ−アセトン−リン酸および過酸化水素になり、これは発色、蛍光、または化学発光シグナルを発生させるために使用される。] [0024] 様々なリポタンパク質のクラスのCHの測定に関して、特定のリポタンパク質のクラスのTGの測定は、様々なリポタンパク質のクラスの様々な化学的および物理的特性を利用するいくつかの方法によって行われ得る。] [0025] しかしながら、現行の方法はいずれも、実験室中で、ポイント・オブ・ケアにて、または自動操作する医療機器上での使用であろうとなかろうと、血漿または血清に基づいている。これは、血球はいくつかのレベルで分析に干渉するからである。すなわち、(i)血漿脂質の測定に対する細胞に関連する脂質の影響、(ii)細胞による光散乱干渉、および(iii)特に赤血球ヘモグロビンの発色干渉である。したがって、血球は、独立した前処理工程にて、またはいくつかのポイント・オブ・ケア機器中でのように試料装置中にてのいずれかで、測定可能な生成物に血漿脂質を変換する酵素反応を開始する前に除去される。] [0026] 一般に前処理工程が行われ、遠心分離により血球と血漿との分離が達成される。通常、血液試料は、採取した場所から、遠心分離および試料分析が行われる臨床検査室へと運搬される。採血、臨床検査室への運搬、および意図する分析を行う前の遠心分離の工程が、必要となる作業および時間資源に対する、また感染/汚染の危険性から、大きな制約となる。保健従事者に特に肝炎ウイルス感染の危険性が増加することは確立された事実である。] [0027] 全血に対して実施することができる特定の抗原および抗体を検出するためのアッセイが、米国特許第6143510号(特許文献6)および米国特許出願公開第2004/0048397号(特許文献7)で提案されている。しかしながら、これらの方法はサンドイッチタイプの異種性分離法であり、対になった特異的結合パートナー(sbp)と反応することができる血中分析物にのみ適用可能である。提案された方法では、一方の結合リガンドが固定され、選択された血中分析物を捕捉する働きをする。他方のリガンドは標識化され、補足された分析物の検出を可能にする。これらの方法に適切な分析物は、自身が特異的バインダーであるかまたは少なくとも2つの認識可能なエピトープを含むポリペプチド、タンパク質、およびより大きな炭水化物である。上記方法は、小さすぎて、別々の部位において少なくとも2つの特異的結合リガンドを結合させられない分析物、例えば、ビタミン(小さすぎる)、脂質(特異的結合パートナーを公知の方法では生じさせることができない)などに適用することはできない。] [0028] ポイント・オブ・ケアにて使用するいくつかのアッセイでは、全血を試験装置に入れることが可能である。しかしながら当該装置は次に分離工程(例えば、膜に通して無傷(intact)血球から血漿を分離すること)を伴う。これは効果的ではあるが、アッセイ装置(例えば、カートリッジ)の複雑さが大幅に増し、ひいてはアッセイに伴うコストや廃棄物が増える。さらに、装置に入れた全血検体に対して直接分離を行うので、このような分離方法は多量のデッドボリュームを伴い、必要な試料の量は非常に増加する。理想的には、患者の不快感を最小限に抑えながら血液が得られるようにポイント・オブ・ケア検査は最小量の血液(例えば、20μl未満)で行われるのがよい。装置中での分離はまた、特に分離が高濃度の細胞で行われる場合、複雑なアッセイ装置を必要とし、信頼性の低い結果をブロックするかまたは生成してしまう可能性がより高くなる。ポイント・オブ・ケアアッセイの不快感またはコストが高くなりすぎたり、信頼性が低くなりすぎたりすると、臨床医、患者、または医療保険会社は、ポイント・オブ・ケアにおいてではなく専門家の実験室でアッセイを行うことを選択することになる。] [0029] 米国特許第5213965号明細書 米国特許第6986998号明細書 米国特許第7208287号明細書 米国特許第7272047号明細書 米国特許出願公開第2007/0161068号明細書 米国特許第6143510号明細書 米国特許出願公開第2004/0048397号明細書] 先行技術 [0030] ハインライン(Hainline)Aら、1982年、Manual of laboratory operations,lipid and lipoprotein analysis、第2版、ベテスダ、メリーランド州:米国保健社会福祉省、1982年、151ページ ロペス−ヴィレラ(Lopes-Virella)MFら、1977年、クリニカルケミストリー(Clin Chem)23:882〜4 ヴィーカリ(Viikari)J、1976年、スカンジナビアンジャーナル・オブ・クリニカル・アンド・ラボラトリーインベスティゲーション(Scan J Clin Lab Invest)35:265〜8 フィンリー(Finley)ら、1978年、クリニカルケミストリー24:931〜3 キンバリー(Kimberly)ら、1999年、クリニカルケミストリー45:1803〜12 コンラン(Conlin)Dら、1979年、25:1965−9 ウスイ(Usui)ら、2000年、クリニカルケミストリー46:63〜72 フリードワルド(Friedewald)WTら、1972年、クリニカルケミストリー18:499〜501 ハベル(Havel)RJら、ジャーナル・オブ・クリニカルインベスティゲーション(J Clin Invest)1955年、34:1345〜53] 発明が解決しようとする課題 [0031] 上記を考慮すれば、1つ以上の血漿脂質成分に対する改良されたアッセイの必要性が高いことが明らかである。好ましくは、この方法は、現在利用可能な方法よりも、簡便、迅速、確実であり、小さな試料で済み、かつ/または少ない器具で済むのがよい。] 課題を解決するための手段 [0032] 本発明者らは今般、血漿脂質成分を測定するアッセイが全血ではなく分離血漿中で行う必要があるという認識は、アッセイが適切に設計されていれば、実際には、良好なアッセイには必須ではないことを意外にも証明した。特に、本発明者らは、血球成分の脂質含量は、細胞の完全性が維持される条件下でアッセイが行われれば、リポタンパク質に関連する脂質に対する酵素アッセイに干渉しないことを証明した。さらに本発明者らは、全血細胞による散乱がアッセイのバックグラウンドシグナルを増加させるが、これは、適切な方法による脂質成分の効果的な測定を妨げないことを証明した。加えて、検出波長を適切に選択することにより、試料中のヘモグロビンに起因する干渉は許容することができる。] 図面の簡単な説明 [0033] 図1は、血漿TGの測定に対する無傷血球の影響を示す。 図2は、無傷血球および溶解血球の吸光度プロファイルを示す。 図3は、メチマゾールによる水素ペルオキシダーゼの用量依存的阻害を示す。 図4は、血漿総CHの測定に対する無傷血球の影響を示す。 図5は、HDLに関連するCHの測定に対する無傷血球の影響を示す。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0034] 発明の要旨 したがって、第1の態様では本発明は、血漿および無傷血球を含む血液試料の血漿部分中の特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の少なくとも1種の濃度を測定するための酵素的方法を提供し、当該方法は、 i)当該試料と脂質変換酵素を含む試薬混合物とを接触させる工程(ここで当該反応混合物は、当該特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の選択的な反応を起こし、同時に反応生成物を生成するかまたは反応基質を消費する)、 ii)当該試料と試薬混合物とを接触させる工程(これにより当該反応生成物または反応基質を、検出可能な間接生成物に変換する)、 iii)当該間接生成物を検出する工程、 iv)検出された当該間接生成物の量または当該間接生成物の形成速度を、当該血液試料中の当該特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の濃度に関連づける工程を有し、 ここで、工程i)は、当該血球を無傷状態に実質的に維持する条件下で行われる。] [0035] 特異的な反応(工程i)の条件は、血球を無傷状態に実質的に維持するような条件であるのがよい。これは、従来の脂質またはリポタンパク質のアッセイでは提供されていない様式でアッセイの化学的環境を制御することを必要とする。具体的には、工程iの最中(または工程iおよび同時に行われるすべての追加工程の最中)に加えられる試薬は、細胞溶解を実質的に起こさないように、アッセイの浸透圧および界面活性剤含量を制御するのがよい。溶媒の存在や反応pHなどの他の要素の影響は比較的低い。浸透圧(ほぼ等浸透圧であるのが好ましい)の次に、洗浄剤および/または界面活性剤の使用が系において細胞溶解に対して最も影響を及ぼすことになる。これらは、典型的にはアッセイ混合物に含まれ、重度の細胞溶解を引き起こさないような種類および濃度であるのがよい。低濃度では、界面活性剤は、細胞に対して保護効果を有する傾向がある一方で、より高い濃度では、界面活性剤はしばしば溶原性になる。] [0036] 別の態様では本発明はさらに、血漿および無傷血球を含む血液試料の血漿部分中の特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の少なくとも1種の濃度の測定に使用するキットを提供し、当該キットは下記のものを含む。] [0037] a)当該特定のクラスの脂質または当該特定のクラスのリポタンパク質の選択的な反応を起こすように調製された第一の試薬混合物(これにより反応生成物が生成されるかまたは反応基質が消費される)、 b)当該反応生成物または反応基質を、検出可能な間接生成物に変換させるように調製された第二の試薬混合物、 c)任意に、細胞溶解を起こすための試薬、 d)任意に、当該反応生成物の生成または当該基質の反応を阻害するための阻害剤。 発明の詳細な説明 上記のように、工程i)の条件は、血液試料の細胞が無傷あるいは実質的に無傷(例えば、細胞の20%未満、好ましくは10%未満、最も好ましくは細胞の5%未満(例えば、0.1〜5%)が工程iの際に溶解を受ける)で保持されるように選択される。イオン強度および界面活性剤の種類/濃度を含む要素はこの点において特に重要である。] [0038] 細胞の完全性にとって特に重要な非イオン性界面活性剤の一特性は、親水性親油性バランス(HLB)である。HLB値が10未満および13を超える界面活性剤は、無傷細胞の存在下での使用に特に適している。したがって、このような界面活性剤は、本発明の方法における使用に好ましい(例えば、HLBが1〜10または13〜20の界面活性剤)。しかしながら、HLB値が10〜13の間の界面活性剤も(好ましさは劣るのであるが)、使用する濃度によっては、そしてアッセイの構成および設計(使用する反応時間および温度、アッセイ混合物中で使用する塩のイオン強度、pH、および種類、ならびに血清アルブミンなどの安定化物質の存在など)によっては、無傷細胞を維持するのに適合性があり得る。当業者なら分かるように、より短い反応時間、より高濃度の安定剤(アルブミンなど)、ならびにより生理的環境に近い温度、pH、およびイオン強度はいずれも細胞の安定性を増加させる傾向がある。本明細書に記載のような適切な種類および濃度の界面活性剤との併用で、個々のケースにおいて良好な細胞の完全性を維持するのに必要なすべての条件は、当業者であれば常法により識別することができる。] [0039] 本発明の方法は、好ましくは、単一の試薬混合物として調製された工程iおよび工程iiの試薬混合物を用いて行われる。このような場合においては当該方法の工程i)および工程ii)は同時に行われることは明らかである。これにより、器具に入れ収容されなければならない個々の試薬混合物の数が減り、さらに、工程iおよび工程iiが同時に行われるので、より迅速なアッセイが可能となる。] [0040] 任意に、米国特許第6818414号に開示のような反応促進剤が(促進剤が含まれても血球が無傷状態に維持される限り)、反応速度を上昇させ、したがってアッセイ時間を短縮させるために試薬溶液、特に工程i)における試薬溶液に含まれてもよい。] [0041] コレステロール反応に特異的に作用する促進剤の例としては、 (i)リポタンパク質の外殻のリン脂質環境からのコレステロールの放出を増加させるメンブレンインターカレータがある。例としては、両親媒性アルコール(オクタノール(実施例11参照)、ヘキサデカノール;0.1〜100mM)、セラミド(N−ヘキサノイル−D−エリスロスフィンゴシン;1〜1000μM)、ジグリセリド(1,2−ジオクタノイル−s,n−グリセロール、ヘキサデシルグリセロール、ジパルミトイルグリセロール;1〜1000μM)、およびステロイド系抗生物質、フシジン酸、 (ii)リポタンパク質のトリグリセリドに富む内側のコアからのコレステロールの放出を増加させるトリグリセリドまたはリポタンパク質リパーゼ(実施例11参照)、 (iii)血清アルブミン、ポリエチレングリコール6000、シクロデキストリン、およびデキストランなどの、溶媒相中の放出されたコレステロールを安定化させる物質が挙げられる、 (化合物はシグマアルドリッチ、フルカ、およびモレキュラープローブ(ユージーン、オレゴン州)から入手可能である)。] [0042] あるいは、反応温度を上昇させることにより反応を促進してもよい。例えば、実施例12では、HDLコレステロールの測定に必要な時間は37℃では180秒(3分)であった。この時間(すなわち、形成された発色生成物が同一の量に達するのに必要な時間)は、反応温度を42℃まで上昇させると105秒まで短縮でき、反応温度を47℃まで上昇させると75秒までさらに短縮できた。] [0043] 特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の選択的な反応ならびに反応したリポタンパク質の検出可能な二次分析物への変換に関して、当該技術分野において周知の方法が多数あり、これらのいずれも本発明における使用に適している。上記の非分離法はいずれも適しており本発明の範囲に包含される。さらなる詳細は下記および参考文献中に提供されている。] [0044] 上記方法は以前は本発明の方法における使用には適していなかった。これは、分離された血漿に対して無傷血球の不在下で方法を実行しなければならないと考えられていたからである。本発明における使用に適するためには、上記方法を、本明細書に記載のように、細胞溶解を起こさないようにまたは適切な段階でのみ細胞溶解を起こすように適合させる必要がある。この適合は、より詳細に下記に記載するように、浸透圧ならびに界面活性剤の種類および含量などの適切な要素を制御することにより可能となる。] [0045] CHの定量に関して現在2つの方法が通常は使用されている。いずれの方法も酵素的であり、本発明の方法における使用に適している。第1の方法では、コレステロールエステラーゼがコレステロールエステルをCHに変換する。次いでコレステロールオキシダーゼがCHをコレステ−4−エン−3−オンおよび過酸化水素に変換する。最終的に、水素ペルオキシダーゼ(hydrogen peroxidase)が、形成された過酸化水素を用いてフェノールの存在下に4−アミノアンチピリンを変換して、発色キノンイミン化合物を生成する。このキノンイミンは、500〜600nmの波長で測光法によりモニタリングされる。他の周知の発色性基質(例えば、生成物は青く650nmでモニタリングされるTMB)または蛍光性もしくは化学発光性基質を4−アミノアンチピリン/フェノールと代用してもよい。] [0046] もう一つの方法は、コレステロールオキシダーゼの代わりにコレステロールデヒドロゲナーゼを使用し、生成したNADHまたはNADPHの量に基づいて試料中のCHの量を測定する。] [0047] TGの検出に関して、通常TGは4つの工程からなる酵素反応において測定され、この酵素反応ではリポタンパク質リパーゼがTGを非エステル化グリセロールと遊離脂肪酸とに加水分解する。次いでグリセロールはグリセロキナーゼによりリン酸化されそしてグリセロール−3−リン酸オキシダーゼにより酸化されて、ジ−ヒドロキシ−アセトン−リン酸および過酸化水素になる。最後の発色工程では、水素ペルオキシダーゼが、形成された過酸化水素を用いて4−アミノアンチピリンをフェノールの存在下で発色キノンイミンに変換する。このキノンイミンは、500nmの波長での分光測光法でモニタリングされる。適切な基質およびフェノールを選択することにより、形成した発色生成物を450〜850nmの波長でモニタリングしてもよい。同様に、蛍光性または化学発光性の基質を4−アミノアンチピリンと代用してもよい。過酸化物に基づいた方法のいずれにおいても最終工程は同じであり入れ替えることが可能であることは明らかである。] [0048] したがって、特定の血漿脂質成分を、検出可能な化学生成物に変換する酵素反応は、好ましくは、上記の酵素系を用いて行われ得る。] [0049] CHには: (i)コレステロールエステラーゼ+コレステロールオキシダーゼ+ペルオキシダーゼ、または (ii)コレステロールエステラーゼ+コレステロールデヒドロゲナーゼ。] [0050] TGには: (iii)リパーゼ+グリセロールキナーゼ+グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ+ペルオキシダーゼ。] [0051] 酵素として、動物、微生物、または植物に由来した市販の酵素を使用してもよい。特定の酵素源からの酵素は、特定のリポタンパク質のクラスに対する選択性を示す可能性があり、例えば、クロモバクテリウム・ビスコスムまたはシュードモナス属からのリポタンパク質リパーゼおよびコレステロールエステラーゼは、リポタンパク質のクラスであるVLDLと優先的に反応する。このような酵素は、単独でまたは本明細書に記載の他の選択方法と組み合わせて、特定成分をアッセイするために使用されてもよい。酵素は、その特異性および安定性を変更させるように化学的に修飾されてもよい、例えば、LDLに関連するCHに対するコレステロールオキシダーゼおよびコレステロールエステラーゼの反応性を低くするために、これら酵素をPEGと共役させる(米国特許第5807696号)。酵素は典型的には100〜100,000U/Lの濃度で使用される。] [0052] 特定のリポタンパク質のクラスの脂質成分の測定は、様々なリポタンパク質のクラスの様々な化学的および物理的特性を利用するいくつかの方法により行われ得る。一般に、これらの方法は、酵素の特異性に依存し、かつ/または干渉する可能性のある他の成分を分離、変換、もしくは不活性化した後に所望の成分を反応させる。] [0053] 非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性イオン性界面活性剤が、酵素反応の選択性を高めるためにまたは反応速度を上昇させるために含まれてもよい。反応の際に細胞を無傷状態に維持することを可能にする任意の適切な界面活性剤を使用してもよい。細胞の状態にとって特に重要な非イオン性界面活性剤の一特性は、親水性親油性バランス(HLB)である。HLB値が10未満および13を超える界面活性剤は、無傷細胞の存在下での使用に特に適している。しかしながら、HLB値が10〜13の間の界面活性剤も、使用する濃度よっては、そしてアッセイの構成および設計(使用する反応時間および温度、アッセイ混合物中で使用する塩のイオン強度、pH、および種類、ならびに血清アルブミンなどの安定化物質の存在など)によっては、無傷細胞と適合性があり得る。適切な界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ブリッジ(Brij)35および78)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(トリトン(Triton)X45およびX305、イゲパール(Igepal)210および272)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ツイン(Tween)80)、ポリオキシエチレン−コオキシプロピレンブロック共重合体(プルロニック(Pluronic)F68およびL64)、ポリエチレングリコールとのテロメア(telomere)Bモノエーテル(ゾニール(Zonyl)FSN100)、エチレンジアミンアルコキサレートブロック共重合体(テトロニック(Tetronic)1307)、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールエトキシレート(スルホニル(Surfonyl)465および485)、ポリジメチルシロキサンメチルエトキシレート(シルウェット(Silwet)L7600)、ポリオキシエチレン化オレイルアルコール(ローダサーフ(Rhodasurf)ON−870)、ポリオキシエチレン化ヒマシ油(クレモホール(Cremophor)EL)、p−イソノニルフェノキシ−ポリ(グリシドール)(サーファクタント(Surfactant)10G)、およびポリエーテルスルホネート(トリトン(Triton)X200)が挙げられる。界面活性剤は、典型的には0.001〜10%、好ましくは0.01〜1%の濃度でこの目的のために使用される。] [0054] 以下の方法は、記載のような特定のリポタンパク質成分を選択的に反応させるのに適した方法に包含されるものである。いずれの場合も、参考文献として記載の出版物は参照により本書に援用される。] [0055] HDLに関連するCHフラクションを測定する非分離法では、非HDL粒子は様々な方法により反応からブロックされ、CH代謝酵素に到達できないようにされてきた。最新の開発としては、HDLを選択的に溶解する高特異性界面活性剤である。当該界面活性剤には次のものが含まれる。] [0056] (i)PEG/シクロデキストリン法(米国特許第5691159号)では、硫酸化アルファ−シクロデキストリンがMg2+の存在下で非HDLと可溶性複合体を形成し、これによりPEG修飾酵素による分解に対して抵抗性を持たせる。] [0057] (ii)ポリアニオン法(米国特許第5773304号)は、ポリアニオンと共に合成高分子を使用して非HDLをブロックし、これらに特定の洗浄剤を用いた可溶化および酵素測定に対する抵抗性を持たせる。] [0058] (iii)免疫学的方法(米国特許第6162607号)は、すべての非HDL中のアポリポタンパク質Bの存在およびHDL中のその欠如を利用する。アポBに対する抗体は、コレステロール酵素との反応に対して非HDLを阻止する。] [0059] (iv)クリアランス法(米国特許第6479249号)では、非HDLはまず非発色反応において消費される。次いで特定の洗浄剤が加えられ、発色反応において酵素をHDLと反応させる。] [0060] (v)促進剤/洗浄剤法(米国特許第6818414号)は、促進剤を使用して非HDLの非エステル化コレステロールを分解して反応を促進し、形成したH2O2を非発色プロセスにおいて除去する。第二の工程では、HDL特異的洗浄剤を用いて色成形プロセスにおいてHDLコレステロールを分解する。] [0061] LDLに関連するCHは、LDL CHフラクションを測定するのに非LDLリポタンパク質の物理的分離を必要としない非分離法によって測定されている。このような方法は次のものを包含する。] [0062] (i)米国特許第5888827号は、非LDLをMg2+の存在下で界面活性剤およびシクロデキストリンによりマスクし、PEG修飾酵素による分解に対して抵抗性を持たせる方法を記載している。] [0063] (ii)米国特許第5925534号は、ポリアニオンおよび界面活性剤を使用して試料中のLDLを保護し非LDLを酵素的に除去し、この後に脱保護試薬を加えるとLDLに関連するCHの酵素的な測定ができる方法を記載している。] [0064] (iii)米国特許第6057118号および米国特許第6194164号は、LDLに関連するCHを測定する前に酵素反応においてLDLに関連しないCHを選択的に除去するために特定の界面活性剤を用いる2つの異なる方法を記載している。] [0065] 近年、VLDLに関連するCHを測定する非分離法が開発されている。これらは次のものを包含する。] [0066] (i)米国特許第6986998号は、アルブミンおよびカリックスアレーンを使用してHDLおよびLDLをそれぞれブロックし、クロモバクテリウム・ビスコスムからのVLDL選択的酵素を用いた酵素反応におけるVLDLの選択的な分解を可能にする方法を記載している。] [0067] (ii)米国特許第7208287号は、特定の界面活性剤を使用して酵素反応において選択的にVLDLを分解させる方法を記載している。] [0068] IDLに関連するコレステロール(「VLDLレムナント」または「レムナント様粒子」とも呼ばれる)は、一般に、超遠心分離、高速液体クロマトグラフィー、または電気泳動を用いて測定される。IDLに関連するコレステロールの選択的な酵素分解を促進するための特定の界面活性剤を使用する非分離法が最近2つ開発された(米国特許第7272047および米国特許出願公開第2007/0161068号)。特定のリポタンパク質のクラスのTGの測定は、様々なリポタンパク質のクラスの様々な化学的および物理的特性を利用する方法により行われ得る。これら方法はしたがって、コレステロールに関して上記した方法と類似しているが、上記の方法によるようなTGの酵素検出を利用する。] [0069] 本発明のアッセイ方法で使用される検出方法は、典型的には測光法によるものであり、間接生成物は一般にこれが測光法によって検出可能であるように選択される(例えば、1つ以上のあらかじめ定めた波長におけるその吸光度、蛍光、または化学発光による)。このようなアッセイにおける無傷血球の存在は、特に吸光法に関して、非特異的なバックグラウンドシグナルを増加させる傾向にあるが、試料中の分析物の濃度を評価するために使用されるシグナルの変化や変化速度を変更することはない。シグナルは、どの段階であっても血球を除去しないでも検出可能であるので、好ましい一実施形態では、血球はアッセイ方法全体にわたって(例えば、工程iから工程ivの間)試料中で無傷であるか実質的に無傷のままである。] [0070] 非常に好ましいシグナル生成方法は、過酸化水素を介したものであり、過酸化水素は発色物質の酵素的酸化の基質として働く。形成された過酸化水素と反応して検出可能な化学生成物を産生する酸化可能な発色試薬は、当該技術分野において公知の任意の分子であってもよく、その酸化した生成物は、紫外、可視、または赤外分光法、あるいは蛍光または輝度により測定することができる。] [0071] 適切な発色性試薬の例としてはトリンダー試薬があり、これはH2O2の存在下で発色剤(coupler)と反応して発色生成物を形成する。発色剤の好ましい例としては、4−アミノアンチピリン(4AA)、3−メチル−2−ベンゾリノンヒドラゾン(MBTH)、N−メチル−N−フェニル−4−アミノアニリン(NCP−04)、N−メチル−N−(3−メチルフェニル)−4−アミノアニリン(NCP−05)、N−メチル−N−(3−メトキシフェニル)−4−アミノアニリン(NCP−06)、N−メチル−N−(3−メトキシフェニル)−3−メトキシ−4−アミノアニリン(NCP−07)挙げられる。トリンダー試薬の好ましい例としては、600nmを超える波長にて比色分析で測定することができる発色生成物を形成できるものであり、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルオキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリン(FDAOS)、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N,N−ビス(4−スルホブチル)−3,5−ジメチルアニリン(MADB)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)が挙げられる。トリンダー試薬ではない好ましい例としては、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、N−(3−スルホプロピル)−3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ−PS)、N,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)トリジン(SAT Blue)、N−(カルボキシメチル−アミノカルボニル)−4,4−ビス(ジメチルアミノ)−ビフェニルアミン(DA64)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン(DA67)が挙げられる。発色体の濃度は、好ましくは0.01〜10g/Lであり、溶解度によって制限される。] [0072] 適切な蛍光基質の例としては、ジヒドロカルセイン、ジヒドロエチジウム、ジヒドロフルオレセイン、ジヒドロフェノキサジン(アンプレックスレッド:10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン)、およびジヒドロローダミンが挙げられる。] [0073] 適切な化学発光基質の例としては、ルミノール(3−アミノトリフェニレン複合体)、ルミゲンPS−2、およびルミゲンPS−attoが挙げられる。] [0074] 本発明者らは、無傷血球の存在は、本発明の方法において有効なシグナルの検出を妨げないことを証明したが、アッセイ方法の速度および複雑度が許容範囲であれば、間接生成物の検出の前に無傷細胞をいくらかまたはすべて除去することにより、無傷細胞の存在により生成される増加したバックグラウンドシグナルを減少させてもよい。一実施形態では、したがって本発明は、工程iの後であるが検出工程iiiの前に無傷血球の濃度を減少させると規定する。無傷血球の減少に関連して、本明細書では「濃度」なる語は、他の成分(特に、シグナルを生成する二次分析物または工程(i)で言及される反応生成物もしくは反応基質)の濃度に対しての濃度を表す。したがって、単純な希釈をかかる濃度の減少に包含するということは意図せず、むしろ他の成分(特に、シグナルを生成する二次分析物または工程(i)で言及される反応生成物もしくは反応基質)の実質的な脱離または除去を伴わない全血細胞の除去または脱離を意図する。] [0075] 細胞の濃度を減少させ得る2つの重要な方法があり、これらは、細胞の溶解(断片化した細胞がブロックする光はより少ない)または細胞の物理的な除去によるものである。したがって、好ましい一方法では、上記方法の工程i)の後、阻害剤を加えてさらなる反応を阻害(例えば、脂質変換酵素のさらなる反応または間接生成物のさらなる生成を阻害)して、試料中の無傷血球が細胞溶解によって減少される。これはアッセイ方法に干渉することはない。というのも間接生成物の生成は所望の段階に到達しており、阻害剤は細胞溶解により放出された物質からの検出可能な生成物のさらなる生成を防ぐからである。脂質から間接生成物までの経路における任意の工程の適切な阻害剤、例えば、脂質変換酵素の阻害剤などが使用されてもよい。しかしながら、二次分析物を生成する反応経路における任意の他の酵素の阻害剤が効果的であり、過酸化物の生成が反応経路における工程である場合、過酸化物阻害剤が特に適している。細胞溶解は、浸透圧を低下させ細胞に水を取り込ませ、膨張させて、破壊する、あるいは細胞膜を溶解する洗浄剤を使用することによるものなど様々な手段により達成されてもよい。このような方法は当該技術分野において公知である。] [0076] 非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性イオン性界面活性剤が、発色間接分析物の測定前に細胞溶解の目的で使用されてもよい。測定に影響を与えない任意の適切な界面活性剤が、典型的には0.01〜10%の間、好ましくは0.1〜2%の間の濃度で使用され得る。] [0077] 適切な界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸アミン(ニネート(Ninate)411)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(エアロゾル(Aerosol)OT)、N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム(ゲロポン(Geropon)T−77)、オレフィンスルホン酸ナトリウム(バイオタージ(Bioterge)AS−40)、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(スタンダポール(Standapol)ES−1)、ならびに非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(トリトン(Triton)X100およびX114)、およびポリオキシエチレンラウリルアルコール(ケマール(Chemal)LA−9)が挙げられる。] [0078] 細胞溶解が行われる場合、相応して反応媒体中へヘモグロビンや他の細胞産物の放出が間違いなく起こる。溶解を最大限に利用しかつ可能な限りバックグラウンドシグナルを減少させるために、このような場合には、検出が上記放出物により阻害されない生成物(二次分析物)を選択することが好ましい。したがって、細胞溶解が用いられる場合には、450nmを超える、好ましくは500nmを超える、最も好ましくは600nm以上(例えば、500〜1400nmまたは600〜1200nm)の波長で検出可能な二次分析物が好ましい。] [0079] 上記のように、過酸化物を利用する本発明の実施形態においては、ペルオキシダーゼの阻害は、細胞溶解後にさらにシグナルを生成させないようにするための適切な方法である。一般的なペルオキシダーゼ阻害剤であるメチマゾール(2−メルカプト−1−メチルイミダゾール)が特に適している。ペルオキシダーゼ反応の他の阻害剤の例としては、アルファトコフェロール、ベンゾヒドロキサム酸、ジエチルジチオカルバメート、ジチオトレイトール、グルタチオン、ヒドロキノン、ヒドロキシルアミン、フェニルヒドラジン、シアン化カリウム、PTU(6−n−プロピル−チオウラシル)、金属の塩(Al2+、Hg2+、Mn2+)、アジ化ナトリウム、チロン(ジヒドロベンゼン二スルホン酸)が挙げられる。] [0080] 非トリンダー発色基質(例えば、DA67)が使用される場合、トリンダー発色剤(例えば、4−アミノアンチピリン)が競合阻害剤として首尾よく使用され得る(下記実施例1F中の表2参照)。] [0081] 検出可能な化学生成物への特定の脂質の変換において使用される他の酵素の阻害剤も、組み合わせてまたは単独で使用され得る。本明細書に示す好ましい実施形態に関して、当該阻害剤としては以下の物が挙げられる。] [0082] コレステロールオキシダーゼ阻害剤:フェンプロピモルフ(Fenipropimorph)、1−フルオロ−2,4−ジニトロベンゼン、N−ブロモスクシンイミド、金属の塩(Ag+、Fe2+、Hg2+)、サルコシル、SDS、トリニトロベンゼンスルホネート、トリトンX−100(>0.2%)。] [0083] コレステロールエステラーゼ阻害剤:臭化セチルトリエチルアンモニウム、二炭酸ジメチル、フルオロリン酸ジイソプロピル、ジチオトレイトール、塩化1−ヘキサデカンスルホニル、4−ヒドロキシ水銀安息香酸塩、N−ブロモスクシンイミド、p−クロロ水銀安息香酸塩、フッ化フェニルメチルスルホニル、シアン化カリウム、プロタミン、金属の塩(Ag+、Ca2+、Cd2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Hg2+)、トリトンX−100(>1%)。] [0084] グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤:ATP、N−エチルマレイミド、p−クロロ水銀安息香酸塩、1,10−フェナントロリン、金属の塩(Cu2+、Mn2+、Ni2+、Zn2+)。リポタンパク質リパーゼ。1,1−ビス(アニリン)−4.4’−ビス(ナフタレン)−8,8’−ジスルホネート、フッ化ドデシルスルホニル、プロタミン、塩化ナトリウム(>0.5M)。] [0085] 肝性リパーゼ阻害剤:臭化セチルトリエチルアンモニウム、p−クロロ水銀安息香酸塩、リン酸4−ニトロフェニルジエチル、EDTA、塩化1−ヘキサデカンスルホニル(1-hexandecansulfonyl chloride)、4−ヒドロキシ水銀安息香酸塩、2−メルカプトエタノール、N−ブロモスクシンイミド、1,10−フェナントロリン、プロタミン、金属の塩(Ag+、Ca2+、Co2+、Cu2+、Fe2+、Hg2+、Mn2+、Ni2+、Zn2+)、SDS、トリトンX100(>1%)。] [0086] グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ阻害剤:アクリフラボン(Acriflavone)、アテビン(atebin)、ベンゾイルギ酸、グリオキシル酸、メチルグリオキサイド(methylglyoxidde)、アジ化ナトリウム。] [0087] 試料中の無傷血球を減少させ得る二つ目の方法は、物理的分離によるものである。これは、全細胞に特定の結合剤を通過させることを含む任意の適切な方法よるものであってもよいが、最も一般的にはろ過よるものである。なお、反応工程(i)の後にろ過を行い細胞を除去することは、元の血液試料にろ過を行うことと比較して相当な利点がある。特に、当該反応工程を指穿刺からの少量の血液試料で行うことができる。1つ以上の試薬を加えた後は、しかしながら、反応混合物の量ははるかに多く、デッドボリュームが大きくならずに細胞の分離を行うことができる。細胞はまた、より低濃度であり、したがってろ過はより効果的となる。] [0088] ろ過する際、試料は、細胞がトラップされる孔径の小さな有孔界面(フィルター、膜、またはふるい)に通される。この有孔界面は、固体(例えば、焼結ガラス)または繊維状(例えば、セルロースまたはガラス製)であってもよく、流れは直交するように通してもよいし側方に向けてでもよい。試料は、重力、遠心力、毛管力、圧力、または吸引力によってフィルターを通過させてもよい。ろ材は、血球を捕捉する試薬(例えば、レクチン、抗体)をさらに含んでもよい。他の方法は静電引力を使用する。直交ろ過に適した材料を表1に示す。側方流動ろ過に適した材料は、ヘマセップ(Hemasep)(登録商標)L(ポールコーポレーション(Pall Corp))、ならびにLF1およびMF1(ワットマン(Whatman))である。] [0089] あるいは、無傷血球は、形成した発色生成物をモニタリングする前にろ過することによって分離してもよい。無傷血球は、酵素反応が完了する前または完了した後に分離してもよいが、完了する前に分離する場合は、その後、一般に、反応期間を制御することが必要である。表1に、様々なフィルターならびに、発色生成物および脂質の回収に対するそれらフィルターの効果を列挙する。] [0090] ] [0091] 工程iの後であるが検出工程iiiの前に無傷血球の濃度を減少させる工程を含む本発明の方法において、細胞の濃度は、好ましくは少なくとも50%(例えば、50〜90%)、少なくとも70%(例えば、70〜95%)、最も好ましくは少なくとも90%(例えば、90%と実質的に100%との間)減少されるのが好ましい。上に示すように、関連する「濃度」とは、好ましくは、希釈により減少し得る絶対濃度ではなく、むしろ試料全体に対する、特に、工程(i)で言及する反応生成物もしくは反応基質の濃度に対するまたは二次分析物に対する濃度である。] [0092] 本アッセイ方法における全血の使用の大きな利点の1つは、結果としてアッセイ時間が短縮することである。したがって、工程i)での試薬の添加から工程iii)での二次分析物の検出までの時間は7分以下、好ましくは5分以下、より好ましくは3〜5分の範囲であることが好ましい。] [0093] 最小量の血液試料に対して行われ得るということが本発明のさらなる利点である。したがって、アッセイ方法の工程i)における全血試料の量は、40μL以下、好ましくは20μL以下、最も好ましくは12μL以下(例えば、12〜25μL)であることが好ましい。] [0094] 本発明のキットでは、第一の試薬混合物および第二の試薬混合物は、好ましくは、単一の試薬混合物として一緒に調製される。これにより、工程数が減り、したがってアッセイ時間が短縮し、さらに試薬の保存や取扱いというアッセイ装置に伴い要求されることが減り、それほど高機能ではない自動分析器を用いて上記方法を行うことができる。] [0095] キットは、好ましくは、当該特定のクラスの脂質もしくは当該特定のクラスのリポタンパク質のさらなる反応を阻害するための、またはさらなる二次分析物の生成を阻害するための阻害剤を含む。適切な阻害剤は本明細書で開示されており、上述のものは単独および組み合わせのいずれでも特に好ましい。] [0096] キットは、細胞溶解を起こすための溶解剤をさらに含んでもよい。これは、好ましくは阻害剤と併用され、適切な溶解剤もまた本明細書で開示されており、本明細書に記載のもの(本明細書に添付の実施例のものも含む)が好ましい。HLBが10〜13の界面活性剤が特に好ましく、等張性調節剤も特に好ましい。] [0097] 超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)からなる群から選ばれる少なくとも1種のリポタンパク質の参照試料もまた本発明のキットに含まれていてもよい。] [0098] 本発明を、以下の非限定的な実施例および添付の図によりさらに説明する。] [0099] 図1は、血漿TGの測定に対する無傷血球の影響を示す。上のグラフは、無傷細胞はシグナルに対する影響が大きいことを示す。中央のグラフは、同一の初期吸光度が得られるように同じ結果を正規化したものを示す。無傷細胞は、曲線の伸び、すなわち発色生成物へのTGの変換に対して影響がないかまたはその影響は非常に小さい。したがって、無傷血球があっても脂質は血漿TGの測定に影響しない。その一方で、下のグラフは溶解細胞があると血漿TGの測定に脂質が影響することを示す。] 図1 [0100] 図2.無傷血球および溶解血球の吸光度プロファイル。] 図2 [0101] 図3.メチマゾールによる水素ペルオキシダーゼの用量依存的阻害。] 図3 [0102] 図4は、血漿総CHの測定に対する無傷血球の影響を示す。上のグラフは、無傷細胞はシグナルに対する影響が大きいことを示す。中央のグラフは、同一の初期吸光度が得られるように同じ結果を正規化したものを示す。無傷細胞は、曲線の伸び、すなわち発色生成物への血漿CHの変換に対して影響がないかまたはその影響は非常に小さい。したがって、無傷血球があっても脂質は血漿CHの測定に影響しない。その一方で、下のグラフは溶解細胞があると血漿CHの測定に脂質が影響することを示す。] 図4 [0103] 図5は、HDLに関連するCHの測定に対する無傷血球の影響を示す。上のグラフは、無傷細胞はシグナルに対する影響が大きいことを示す。存在する無傷細胞が多いほど、シグナルは強くなる。下のグラフは、同一の初期吸光度が得られるように同じ結果を正規化したものを示す。挿入図は、細胞濃度の関数としての曲線の傾き(すなわち生成物形成の速度)を示す。無傷細胞は、曲線の伸び、すなわち発色生成物へのHDLに関連するCHの変換に対して影響がないかまたはその影響は非常に小さい。したがって、無傷血球があっても脂質はHDLに関連するCHの測定に影響しない。 実施例] 図5 [0104] 血漿TGの測定に対する無傷血球の影響の評価。] [0105] 健常なボランティアから採血しEDTA血漿管に入れた。血漿および細胞を2000gで15分間遠心分離して分離した。反応はすべて37℃で行った。] [0106] (A) 1.5μLの血球を含むかまたは含まない6μLのヒトEDTA血漿を、500μLのABXペントラ(Pentra)トリグリセリドCPアッセイ試薬に加えた。血球を含む試料は、アッセイ試薬により速やかに溶血し、放出されたヘモグロビン(400〜500nmの間に強い吸収がある(図2))により血漿TGの測定ができなかった。] 図2 [0107] (B) この問題を克服するために、ABXペントラトリグリセリドCP試薬を細胞の完全性を維持するように再調製した。1.5μLの血球を含むかまたは含まない6μLの血漿あるいは緩衝液中の1.5μLの血球を、500μLの再調製したアッセイ試薬に加えた(このアッセイ試薬は、pH7.4のグッド緩衝液(50mmol/L)中にリポタンパク質リパーゼ(108kU/L)、グリセロキナーゼ(505U/L)、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(4150U/L)、ペルオキシダーゼ(495U/L)、ATP(3.14mmol/L)、p−クロロフェノール(2.69mmol/L)、4−アミノアンチピリン(0.31mmol/L)、および塩化マグネシウム(15mmol/L)を含んでいた)。発色を500nmで測定した。血球は、バックグラウンド吸光度(図1の上)の著しい増加をもたらしたが、色(図1の中央)の時間的な増加はなかった。したがって、血球に関連するTGは反応に関与しなかった。無傷血球の存在下で得られた起伏のある進行曲線は、部分的には高いバックグラウンド(>2吸光度単位)の結果であり、部分的には血球のブラウン運動の結果である。無傷血球の存在下で見られる最大吸光度のわずかな減少は、細胞の沈降の遅さによるものであり、これにより経時的に光の経路における細胞の数が減少した(図1、中央、点線)。] 図1 [0108] (C) 5つの複製試料を用いた直接実験において、5μLの血球を含むかまたは含まない5μLの血漿を、5分間37℃で500μLのアッセイ試薬を用いて培養した(このアッセイ試薬は、pH7.4のグッド緩衝液(50mmol/L)中にリポタンパク質リパーゼ(107kU/L)、グリセロキナーゼ(530U/L)、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(4000U/L)、ペルオキシダーゼ(500U/L)、ATP(3.1mmol/L)、HDAOS(2.5mmol/L)、塩化マグネシウム(15mmol/L)、および4−アミノアンチピリン(0.3mmol/L)を含んでいた)。次いで血球を沈降させるために試料を遠心分離し、上清を発色生成物の形成に関して600nmでモニタリングした。5つの血漿試料の平均測定値は259±3mAUであり、血漿+細胞試料の平均測定値は259±2mAUであった。明らかに、血球に関連するTGは、血漿TGの測定に影響しなかった。] [0109] バックグラウンドの非特異的な増加は、形成した発色生成物の量を測定するために使用された光の経路中に存在する無傷血球の光散乱効果によるものである。この干渉は、特に測定が600nm以上の波長を用いて行われる場合は、測定前の細胞溶解により減少する可能性がある(図2)。] 図2 [0110] (D)別の実験において、5μLの血球を含むかまたは含まない5μLの血漿あるいは緩衝液中の5μLの血球を、細胞溶解を起こす500μLのABXパンテラトリグリセリドCPアッセイ試薬と混合した。発色生成物の形成を600nmでモニタリングした。細胞溶解は、バックグラウンドを強力に減少させ、細胞を無傷状態にしておいた場合と比較して、滑らかな進行曲線を示したが、溶解細胞から放出されたTGは、発色生成物の形成に影響した(図1、下)。] 図1 [0111] (E)さらに別の実験において、血漿5μL+血球5μLの5つの試料を500μLのアッセイ試薬と混合した。トリトンX100を0.1%の終末濃度まで加えることによる細胞溶解の開始と同時に様々な量のペルオキシダーゼ阻害剤である2−メルカプト−1−メチルイミダゾール(メチマゾール)を培養混合液に加えた。ペルオキシダーゼ阻害剤は、細胞に関連するTGからの発色生成物の形成を用量依存的に阻害した(図3)。] 図3 [0112] (F)トリグリセリドから形成される発色生成物の形成を停止させる様々なペルオキシダーゼ阻害剤の能力を調べるため、阻害剤を溶血濃度のトリトンX100(0.1%の終末濃度)と共に、全血試料とpH7.4のグッド緩衝液(50mmol/L)との混合物に加えた(この緩衝液は、リポタンパク質リパーゼ(105kU/L)、グリセロキナーゼ(520U/L)、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(3900U/L)、ペルオキシダーゼ(500U/L)、ATP(3mmol/L)、塩化マグネシウム(15mmol/L)、ならびにHDAOS(2.4mmol/L)+4−アミノアンチピリン(0.3mmol/L)またはDA67(10mmol/L)を含んでいた)。吸光度は、阻害剤と共に2分間培養後630nmで測定した。結果を表2に示す。] [0113] ] [0114] 結論として、無傷血球があっても脂質は血漿TGの測定に影響しないが、無傷細胞はバックグラウンドを高める。細胞溶解はバックグラウンドを低下させるが、溶解細胞があると脂質は血漿TGの測定に影響する。したがって、無傷血球の存在下で血漿TGの有色生成物への変換を行い、次いで形成された生成物の量を測定する前に酵素阻害剤の存在下で細胞溶解を行えば(この阻害剤は溶解した細胞から放出される脂質の発色生成物へのさらなる変換をブロックする)、血球の存在下ですなわち全血中で血漿脂質を直接測定することが可能になる。] [0115] 血漿総CHの測定に対する無傷血球の影響の評価。] [0116] (A)5μLのヒトEDTA血漿、または1.5μLの血球を加えた5μLのヒトEDTA−血漿を、350μLのワコーHDLCHアッセイ試薬2と混合した(この試薬は、4−アミノアンチピリン(3mmol/L)100μL、塩化ナトリウム(1.5mol/L)50μL、およびペルオキシダーゼ(160kU/L)5μLを追加したpH7.0のグッド緩衝液(30mmol/L)中にコレステロールエステラーゼ(4kU/L)、コレステロールオキシダーゼ(20kU/L)、およびF−DAOS(0.8mmol/L)を含んでいた)。反応を37℃で行い、発色を時間の関数として650nmで測定した。試料中に血球が存在するとバックグラウンドの吸光度は劇的に増加した(図4、上)。しかしながら、血球は、時間的な発色に著しくは影響せず、これは細胞膜に存在するCHが測定に関与していなかったことを示す(図4、中央)。] 図4 [0117] (B)5つの複製試料を用いた直接実験において、5μLの血球を有するかまたは有さない5μLの血漿を、50μLのH−DAOS(25mmol/L)と350μLのpH7.4のグッド緩衝液(50mmol/L)とを追加した100μLのロシュHDLコレステロール試薬2を用いて5分間37℃で培養した。次いで血球を沈降させるために試料を遠心分離し、上清を発色生成物の形成に関して600nmでモニタリングした。5つの血漿試料の平均測定値は430±23mAUであり、血漿+細胞試料の平均測定値は426±21mAUであった。明らかに、血球に関連するCHは、血漿CHの測定には影響しなかった。] [0118] (C)別の実験において、5μLの血球を含むかまたは含まない5μLの血漿あるいは緩衝液中の5μLの血球を、細胞溶解を起こす500μLのABXペントラコレステロールCPアッセイ試薬と混合した。37℃での発色生成物の形成を600nmでモニタリングした。細胞溶解は、バックグラウンドを強力に減少させ、細胞を無傷状態にしておいた場合と比較して滑らかな進行曲線を示したが、溶解細胞から放出されたCHは発色生成物の形成に影響した(図4、下)。] 図4 [0119] (D)コレステロールからの発色生成物の酵素的形成を停止させる様々なペルオキシダーゼ阻害剤の能力を調べるため、阻害剤を溶血濃度のデオキシコール酸ナトリウム(0.04%の終末濃度)と共に、試料とpH7.4のグッド緩衝液との混合物に加えた(この緩衝液は、コレステロールエステラーゼ(1777kU/L)、コレステロールオキシダーゼ(987U/L)、ペルオキシダーゼ(505U/L)、4AAP(0.3mmol/L)、およびHDAOS(2.5mmol/L)を含んでいた)。吸光度は、阻害剤と共に2分間培養後600nmで測定した。結果を表3に示す。] [0120] ] [0121] 結論として、無傷血球があっても脂質は血漿CHの測定に影響しないが、無傷細胞はバックグラウンドを高める。細胞溶解はバックグラウンドを低下させるが、溶解細胞があると脂質は血漿CHの測定に影響する。したがって、無傷血球の存在下で血漿CHの有色生成物への変換を行い、次いで形成された生成物の量を測定する前に酵素阻害剤の存在下で細胞溶解を行えば(この阻害剤は溶解した細胞から放出された脂質の発色生成物へのさらなる変換をブロックする)、血球の存在下ですなわち全血中で血漿脂質を直接測定することが可能になる。] [0122] (E)さらに別の実験において、5μLの血球を有するかもしくは有さない5μLの血漿の5つの複製試料または緩衝液を、500μLの上記2Bに記載のアッセイ試薬と混合した。酵素反応を10分間37℃で行い、次いで停止させ、0.1%LDAO(N,N−ジメチルドデシルアミンN−オキシド)および88μmol/Lのメチマゾールを加えることにより細胞を溶解させた。LDAOは細胞溶解を起こし、メチマゾールはペルオキシダーゼを阻害した。生成物形成を630nmで測定した。5つの血漿試料の平均測定値は308±14mAUであり、血漿+細胞試料の平均測定値は312±6mAUであった。] [0123] 血漿HDLCHの測定に対する無傷血球の影響の評価 様々な細胞除去の度合い(0〜100%の細胞除去)を模倣するため5μLのヒトEDTA血漿を様々な量の血球と混合し、810μLのLタイプワコーHDL−C試薬1に加え(この試薬は、pH7.0のグッド緩衝液中に抗ヒトアポB抗体、ペルオキシダーゼ(2700U/L)、アスコルビン酸オキシダーゼ(2700U/L)、および4−アミノアンチピリン(0.9mmol/L)を含んでいた)、細胞溶解を避けるため塩化ナトリウムで等張性に調整した。37℃で4分間培養後、グッド緩衝液中にコレステロールエステラーゼ(4000U/L)、コレステロールオキシダーゼ(20,000U/L)、F−DAOS(0.8mmol/L)を含む270μLのLタイプワコーHDL−C試薬2を加えた。増加した量の血球の存在は、バックグラウンドの増加を起こしたが(図5、上)、細胞は色形成の時間依存的な増加には影響せず、これは細胞由来コレステロールは測定に関与しなかったことを示す(図5、下)。] 図5 [0124] 実験1〜3は、意外にも、血球膜中に存在するCHおよびTGは、実験時に血球が無傷状態で維持されるような反応条件であると、血漿中に存在するCHおよびTGの測定に影響しないことを証明した。しかしながら、無傷血球は、形成される発色生成物の測定に使用される光を散乱させることにより、非特異的に測定に干渉する。] [0125] 光の非特異的散乱は光散乱体の大きさに依存するので、光散乱体の大きさを減らす(例えば、細胞溶解によって細胞を破片化する)ことにより光の非特異的散乱を減少させ得る。図2は、無傷血球または溶解血球の存在下での血漿の300nm〜700nm間の吸光度スペクトルを示す。明らかに、細胞溶解はバックグラウンドを実質的に減少させ、600nmを超えてはほぼ完全にバックグラウンドを排除する。] 図2 [0126] しかしながら、図1および図4に示すように、細胞溶解により、細胞に関連するCHおよびTGが血漿CHおよびTGを測定するために使用される酵素系で利用可能になり、これら分析物の過剰な評価につながる。この問題は、脂質を発色生成物に変換させる酵素の阻害剤を含むことにより解決される。図3は、一般的なペルオキシダーゼ阻害剤であるメチマゾール(2−メルカプト−1−メチルイミダゾール)による、水素ペルオキシダーゼによる発色生成物の形成の用量依存的な減少を示す。] 図1 図3 図4 [0127] ポイント・オブ・ケア器具における血球の存在下での血漿総TGの測定 アフィニオン(Afinion)型のポイント・オブ・ケア器具(アクシスシールドPoC(Axis-Shield PoC))を用いて、総TGを無傷血球の存在下で血漿中にて測定する。試料中のTGは2種類の試薬R1およびR2(表4)を用いて測定する。] [0128] 当該試料装置を用いて、指穿刺した血液を10μL患者から吸引する。試料装置をカートリッジに挿入し、アフィニオン器具の中に置く。カートリッジの反応容器(RV)−1に300μLのPBSを充填し、RV−2に100μLの酵素/基質溶液(R1)を充填し、RV−3に300μLの溶解/阻害溶液(R2)を充填する(表4)。試料は、カートリッジのRV−1(300μLのPBSを含む)へ自動的に移される。100μLの希釈試料は、RV−1から100μLのR1を含むRV−2へ移される。血漿TGを発色生成物に変換する反応を3分間進行させる。次いで、100μLのR2がRV−3からRV−2に移され、630nmでの吸光度を測定することにより発色生成物の量を決定する。50μLの希釈試料がRV−1からRV−3まで移され、530nmで吸光度が測定されることによりヘマトクリットが測定される。ヘマトクリットに関して得られた吸光度の値および形成された生成物の量は、公知のヘマトクリットおよびTG濃度のキャリブレータを用いて構築した標準曲線から補間することによりそれぞれ%およびmmol/Lに変換される。] [0129] ] [0130] ポイント・オブ・ケア器具における血球の存在下での血漿総TGの測定 無傷血球の存在下での血漿中の総TGの測定は、実施例4の器具および試薬1を用いて行うが、細胞溶解の代わりにろ過を用いて無傷血球の濃度を減少させ、吸光度の代わりに反射率を測定して発色生成物を定量する。] [0131] 当該試料装置を用いて、指穿刺した血液を10μL患者から吸引する。試料装置をカートリッジに挿入し、アフィニオン器具の中に置く。試料は、カートリッジのRV−1(R1を200μL含む)へ自動的に移される(表4)。3分後、20μL試料が、850nmでのヘマトクリットの測定のため、100μLのPBSを含むRV−2に移される。別の試料20μLがRV−1からRV−3(側方流動を促すフィルタパッド(ヘマセップL(登録商標))(ポールコーポレーション、米国)を含む)に移される。細胞は塗布した地点の近傍でトラップされ、溶液は横方向に細胞から遠ざかるように流れて、血球、および発色生成物を含む反応溶液は速やかにフィルター上で分離する。次いで、形成した発色生成物の量をフィルターの細胞が付着していない部分から600nmでの反射率により測定する。] [0132] ポイント・オブ・ケア器具における血球の存在下での血漿総CHの測定 アフィニオン型のポイント・オブ・ケア器具(アクシスシールドPoC)を用いて、総CHを無傷血球の存在下で血漿中にて測定する。R1の処方が違なることを除いて(表5)、本質的には実施例4に記載のように2種類の試薬R1およびR2を用いて試料中のCHを測定する。] [0133] ] [0134] ポイント・オブ・ケア器具における血球の存在下での血漿HDLに関連するCHの測定 アフィニオン型のポイント・オブ・ケア器具(アクシスシールドPoC)を用いて、HDLに関連するCHを無傷血球の存在下で血漿中にて測定する。試料中のHDLに関連するCHは、3種類の試薬R1、R2、およびR3(表6)を用いて測定する。] [0135] 当該試料装置を用いて、指穿刺した血液を10μL患者から吸引する。試料装置をカートリッジに挿入し、アフィニオン器具の中に置く。カートリッジの反応容器(RV)−1に300μLのPBSを充填し、RV−2に100μLのR1を充填し、RV−3に150μLのR2を充填し、RV−4に250μLのR3を充填する。試料は、カートリッジのRV−1へ自動的に移動されPBSで希釈される。50μLの希釈試料がRV−1からRV−2まで移されR1と混合される。3分後、50μLのR2がRV−3からRV−2に移され、反応が3分間継続される。最終的に、50μLのR3がRV−4からRV−2に移され、この際に細胞溶解および酵素阻害が起きる。630nmでの吸光度を測定することにより発色生成物の量が測定される。50μLの希釈試料がRV−1からRV−4まで移され、530nmでの吸光度が測定されることによりヘマトクリットが測定される。ヘマトクリットに関して得られた吸光度の値および形成された生成物の量は、公知のヘマトクリットおよびCH濃度のキャリブレータを用いて構築した標準曲線から補間することにより、それぞれ%およびmmol/Lに変換される。] [0136] ] [0137] ポイント・オブ・ケア器具における血球の存在下での血漿LDLに関連するCHの測定 アフィニオン型のポイント・オブ・ケア器具(アクシスシールドPoC)を用いて、LDLに関連するCHを無傷血球の存在下で血漿中にて測定する。試料中のLDLに関連するCHは、3種類の試薬R1、R2、およびR3(表7)を用いて測定する。] [0138] 当該試料装置を用いて、指穿刺した血液を10μL患者から吸引する。試料装置をカートリッジに挿入し、アフィニオン器具の中に置く。カートリッジの反応容器(RV)−1に300μLのPBSを充填し、RV−2に100μLのR1を充填し、RV−3に150μLのR2を充填し、RV−4に250μLのR3を充填する。試料は、カートリッジのRV−1へ自動的に移動されPBSで希釈される。50μLの希釈試料がRV−1からRV−2へ移され、R1と混合される。3分後、50μLのR2がRV−3からRV−2へ移され、反応が3分間継続される。最終的に、50μLのR3がRV−4からRV−2へ移され、この際に細胞溶解および酵素阻害が起きる。630nmでの吸光度を測定することにより発色生成物の量が測定される。50μLの希釈試料がRV−1からRV−4まで移され、530nmでの吸光度を測定することによりヘマトクリットが測定される。ヘマトクリットに関して得られた吸光度の値および形成された生成物の量は、公知のヘマトクリットおよびCH濃度のキャリブレータを用いて構築した標準曲線から補間することにより、それぞれ%およびmmol/Lに変換される。] [0139] ] [0140] ポイント・オブ・ケア器具における血球の存在下での血漿VLDLに関連するCHの測定 実験は、本質的に米国特許第6986998号に記載されている通りであるが血球を無傷状態に維持するように再調製された試薬(表8)を用いて、アフィニオンのポイント・オブ・ケア機器中で行う。] [0141] 当該試料装置を用いて、指穿刺した血液を10μL患者から吸引する。試料は、カートリッジの反応容器1(RV−1)(190μLのR1を含む)へ自動的に移される。まず、ヘマトクリットは850nmでの光度測定により測定される。5分後、60μLのR2がRV−2からRV−1に移され、反応が5分間継続される。最終的に、50μLのR3がRV−3からRV−1に移され、この際に細胞溶解および酵素阻害が起きる。630nmでの吸光度をモニタリングすることにより発色生成物の量が測定される。ヘマトクリットに関して得られた吸光度の値および形成された生成物の量は、公知のヘマトクリットおよびVLDL濃度のキャリブレータを用いて構築した標準曲線から補間することにより、それぞれ%およびmmol/Lに変換される。] [0142] ] [0143] 全血を利用するトリグリセリド測定のためのプロトタイプアッセイ 全血を利用する血漿トリグリセリド濃度の測定用の手動プロトタイプアッセイを、ポイント・オブ・ケアプラットフォームであるアフィニオン用に構築した。血液試料は10人の健常なボランティアから採取した(各人から試料2つ)。一方の試料を遠心分離にかけて血漿と細胞とを分離した。試料のトリグリセリド濃度は、当該プロトタイプアッセイならびに3種類の参照方法(コレステック脂質プロファイル(主要な参照方法)およびカレガリ(Callegari)トリグリセリドというポイント・オブ・ケア法2種類とABXペントラトリグリセリドCPという自動実験室方法1種類)を用いて分析した。ABX法は血漿を使用し、コレステック法は全血の装置内ろ過を行うので血漿に対する測定を行い、カレガリ法は溶解した全血を使用する。] [0144] 上記プロトタイプアッセイでは、6μLの全血(プロトタイプwb)または3μLの血漿(プロトタイプpl)を306μLのアッセイ試薬と混合し、この混合物を37℃で10分間培養した。次いで停止溶液を33μL加え、形成した色を直ちに630nmで測定した。これはまだアフィニオン上で十分に実施されていないプロトタイプのアッセイであるので、ピペッティング工程は手作業で行い、したがって市販の自動参照方法(コレステック法およびABX法(カレガリ法は市販の手動法である))と比較してプロトタイプ試験ではCVが非常に高くなる。] [0145] 上記市販の方法は、製造業者により提供されるプロトコルに従って行った。] [0146] ヘマトクリットは、濃縮赤血球から構築した検量線を用いて分光法(540nmで)により測定した。全血値はこれに応じて補正した。] [0147] <TGアッセイ試薬(306μL)>: リパーゼ(クロモバクテリウム・ビスコスム) 108kU/L ATP3.1mmol/L グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(ペディオコッカス属の種) 4000U/L グリセロキナーゼ(大腸菌) 460U/L 西洋ワサビペルオキシダーゼ500U/L MgCl2 32mmol/L DA−67 0.24mmol/L PIPES緩衝液、pH7.4 50mmol/L <試料(全血6μLまたは血漿3μL)> <停止試薬(33μL)>: 4−アミノアンチピリン0.9mol/L トリトンX−100 1%。] [0148] 結果を表9に示す。] [0149] ] [0150] 全血中の総血漿コレステロール用の手動プロトタイプアッセイ 全血を使用する血漿総コレステロール濃度の測定用の手動プロトタイプアッセイを、ポイント・オブ・ケアプラットフォームであるアフィニオン用に構築した。血液試料は10人の健常なボランティアから採取した(各人から試料2つ)。一方の試料を遠心分離にかけて血漿と細胞とを分離した。当該血漿は、血漿を必要とする試験に使用した。全血試料は、全血を利用する試験に使用した。試料のコレステロール濃度は次いで当該プロトタイプアッセイならびに3種類の参照方法(コレステック脂質プロファイル(主要な参照方法)およびカレガリコレステロールというポイント・オブ・ケア法2種類とABXペントラコレステロールCPという自動実験室方法1種類)を用いて分析した。ABX法は血漿を使用し、コレステック法は全血の装置内ろ過を行うので血漿に対する測定を行い、カレガリ法は溶解した全血を使用する。] [0151] 実験は、実験10に概説したように行ったが異なるアッセイ試薬を利用した。] [0152] <CHアッセイ試薬>: コレステロールオキシダーゼ(大腸菌中の組換え微生物) 1000U/L コレステロールエステラーゼ(ブタ膵臓) 600U/L 西洋ワサビペルオキシダーゼ500U/L リパーゼ(クロモバクテリウム・ビスコスム) 106kU/L 1−オクタノール58mmol/L MgCl2 32mmol/L PIPES緩衝液、pH7.4 50mmol/L DA−67 0.24mmol/L。] [0153] 結果を表10に示す。] [0154] ] [0155] 全血中の血漿HDLの手動プロトタイプアッセイ 全血を使用する血漿HDL濃度の測定用の手動プロトタイプアッセイを、ポイント・オブ・ケアプラットフォームであるアフィニオン用に構築した。血液試料は10人の健常なボランティアから採取した。試料を遠心分離にかけて血漿と細胞とを分離した。当該血漿は血漿を必要とする試験に使用した。全血試料は、全血および濃縮赤血球(同じドナーから)を1:1で混合することにより構築し、すべての試料で同一のヘマトクリット(50%)にした。次いで、当該プロトタイプアッセイならびに3種類の参照方法(毛細管血を使用するコレステック(主要な参照方法)および血漿を使用するカレガリというポイント・オブ・ケア器具2種類と、血漿を使用するワコーHDL−C M−試薬を用いたコバスミラ(Cobas Mira)という自動実験室器具1種類)を用いて各試料中でHDL濃度を分析した。コレステックは毛細管血液試料の装置内ろ過を行うので血漿に対する測定を行う。] [0156] <HDLアッセイ試薬1(R1)(270μL)>: ワコーHDL試薬1 NaCl 90mmol/L 試料(濃縮赤血球を3μL含むかまたは含まない血漿3μL) <DLアッセイ試薬2(R2)(90μL)>: ワコーHDL試薬2 <停止試薬(54μL)>: メチマゾール925mmol/L トリトンX100 0.74%。] [0157] プロトタイプアッセイでは、3分間37℃でR1を用いて試料を前培養し、続いてR2を加え、さらに3分間37℃で培養した。最後に、停止試薬を加え、直ちに透過率を630nmで測定した。] [0158] 上記市販の方法は、製造業者により提供されるプロトコルに従って行った。] [0159] 結果を表11に示す。] [0160] ] [0161] フリードワルドの式を用いて、総コレステロール、トリグリセリド、およびHDLコレステロールの測定値からLDL値を算出した(値はmmol/L)。] [0162] LDL=総コレステロール−(HDL+トリグリセリド/2.2) 得られた結果を表12に示す。] [0163] ] [0164] コレステック法に相対的な、ABX/ワコー、カレガリ、プロトタイプwb、およびプロトタイプpl法の全体のバイアスは、それぞれ、5%、12%、7%、および6%であった(表13)。] [0165] プロトタイプwb値とプロトタイプpl値との間には有意ではない差があったのみである。これに対して、総コレステロールおよびトリグリセリド測定には溶解全血を使用するがHDLコレステロール測定には血漿を使用するカレガリ法は、予想通り、他のどの方法よりも有意に高い総コレステロール値およびトリグリセリド値を示したがHDL値は有意に高くはなかった(平均値が他の平均値の平均より3SDを超えて大きい)。これは、無傷細胞からの脂質ではなく溶解細胞からの脂質が血漿脂質の測定に影響するという実施例1〜3で説明した我々の知見を裏付けている。] [0166] ] [0167] 現在は手動でのみ行われているプロトタイプwbおよびpl法の誤差範囲を調べた。同様に手動で行われるカレガリ法ならびに自動で行われるABX、ワコー、およびコレステック法についても調べた。総コレステロール、トリグリセリド、およびHDLは2種類の異なる試料中で5種類の方法すべてにより9〜10回測定した。予想した通り、平均CVは、手動法(プロトタイプwb、プロトタイプpl、カレガリ)では悪く、コレステックでは許容範囲であり、ABX/ワコーでは良かった。手動法のCVの低さは、当該方法のr値にも反映されており(表9〜11参照)、コレステック法と比べて、平均でプロトタイプwb法では0.91であり、プロトタイプpl法では0.92であり、カレガリ法では0.87であり、自動で行われるABX/ワコー法は0.97であった。] 実施例 [0168] ]
权利要求:
請求項1 血漿および無傷(intact)血球を含む血液試料の血漿部分中の特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の少なくとも1種の濃度を測定するための酵素的方法であって、前記方法は、i)前記試料と脂質変換酵素を含む試薬混合物とを接触させる工程であって、当該反応混合物は、前記特定のクラスの脂質または前記特定のクラスのリポタンパク質の選択的な反応を起こし、これにより反応生成物を生成するかまたは反応基質を消費する工程、ii)前記試料と試薬混合物とを接触させ、これにより前記反応生成物または反応基質を、検出可能な間接生成物に変換する工程、iii)前記間接生成物を検出する工程、iv)検出された前記間接生成物の量または前記間接生成物の形成速度を、前記血液試料中の前記特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の濃度に関連づける工程を含み、工程i)は、前記血球を無傷状態に実質的に維持する条件下で行われる、方法。 請求項2 工程i)およびii)が少なくとも1つの反応混合物を用いて同時に行われる、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記間接生成物が測光法により検出可能である、請求項1または2に記載の方法。 請求項4 工程i)の後、前記試料中の前記無傷血球が少なくとも50%減少される(reduced)、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 請求項5 工程i)の後、前記特定のクラスのリポタンパク質のさらなる反応を阻害するために阻害剤が加えられ、前記試料中の前記無傷血球が細胞溶解によって減少される(reduced)、請求項4に記載の方法。 請求項6 前記試料中の前記無傷血球がろ過によって減少される(reduced)、請求項4に記載の方法。 請求項7 前記特定のクラスのリポタンパク質が、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)からなる群から選ばれる、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 請求項8 前記特定のクラスの脂質がトリグリセリド(TG)またはコレステロール(CH)である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 請求項9 工程i)において、前記試薬混合物が、前記特定のクラスの脂質または前記特定のクラスのリポタンパク質に対して特異性を有する脂質変換酵素を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 請求項10 工程i)において、前記試薬混合物が、前記特定のクラスの脂質、または前記特定のクラスのリポタンパク質に関連する脂質を選択的に可溶化する試薬を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 請求項11 工程i)において、前記試薬混合物が、前記特定のクラスの脂質または前記特定のクラスのリポタンパク質以外のリポタンパク質および/または脂質の反応を阻害する試薬を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 請求項12 工程i)において、前記試薬混合物が、前記特定のクラスの脂質または前記特定のクラスのリポタンパク質以外のリポタンパク質および/または脂質の分解を引き起こす試薬を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 請求項13 血漿および無傷血球を含む血液試料の血漿部分中の特定のクラスの脂質または特定のクラスのリポタンパク質の少なくとも1種の濃度の測定に使用するキットであって、前記キットは、a)前記特定のクラスの脂質または前記特定のクラスのリポタンパク質の選択的な反応を起こし、これにより反応生成物が生成されるかまたは反応基質が消費されるように調製された第一の試薬混合物と、b)前記反応生成物または反応基質を、検出可能な間接生成物に変換させるように調製された第二の試薬混合物と、c)任意に、細胞溶解を起こすための試薬と、d)任意に、前記反応生成物の生成または前記基質の反応を阻害するための阻害剤とを含むキット。 請求項14 前記第一の試薬混合物および前記第二の試薬混合物が、単一の試薬混合物として一緒に調製される、請求項13に記載のキット。 請求項15 前記特定のクラスの脂質または前記特定のクラスのリポタンパク質のさらなる反応を阻害するか、または前記二次分析物のさらなる生成を阻害するための阻害剤をさらに含み、細胞溶解を起こすための溶解剤をさらに含む、請求項13または14に記載のキット。 請求項16 超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)からなる群から選ばれる少なくとも1種のリポタンパク質の参照試料をさらに含む、請求項13〜15のいずれかに記載のキット。 請求項17 自動操作するアッセイ装置、好ましくは実験室装置または「ポイント・オブ・ケア」アッセイ装置で使用するための、請求項13〜16のいずれかに記載のキット。
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同族专利:
公开号 | 公开日 GB0725069D0|2008-01-30| WO2009081140A1|2009-07-02| EP2235543A1|2010-10-06|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-03-06| A300| Withdrawal of application because of no request for examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120306 |
优先权:
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